建物は地震にどこまで安全か? ~専門家と一般の方との橋渡し~


 はじめに

 

お住いの建物やマンションの耐震性に、不安や疑問をお持ちの皆様へお答えします ☞ 質問・相談へ ≪受付中≫

  

地震と建物の安全について、分からないことを易しく教えて欲しい皆様へお答えします ☞  

 *講演依頼は、新型コロナウィルスによる緊急事態宣言発令中により、当分の間受付を休止させて頂きます。 

 

東京都の学校教育に関わる校長先生、教職員の皆様へ ☞ 講座リーフレットをご参照ください

講師は、小・中学校の児童・生徒を中心に学校における防災教育の支援を目的に、東京学校支援機構の人材バンク ”TEPRO Supporter Bank”に登録し、講演・授業の依頼を受け付けています。ご要望がありましたら、本ホームページからもご相談に与りますので、講演依頼またはお問合せまでご連絡下さい。 

 

ホームページのねらい

 

首都直下地震や南海トラフ巨大地震が明日起きてもおかしくないと叫ばれ、世の中の関心は高まっていますが、「自分の家は大丈夫?自分のマンションは問題ない?」と気になっている人は少なからずいらっしゃいます。

 

一方で、その対策となると、「地震や建物の話しは難しい、専門家に任せておけばよい、法律を守っていれば大丈夫」と考えている人が多いのも実情のようです。

 

「地震に対する建物の安全」というテーマに、総合建設会社の構造部門に長らく従事してきた講師は、『建物を提供する側の専門家と、購入・使用する側の一般の方との間に、建物の安全に対する認識に大きな溝がある』ことを感じてきました。

 

一般の方(建築主、建物所有者・利用者など)は通常建築の素人であり、建物の安全に直接かかわる建築構造に関する知識は乏しく、それを得る機会も非常に少ないのが現実です。従って、いざ建物を建てる、マンションを購入する、建物の耐震性を調べてみようとするような場合、初めて専門家の話を聞いても、建物が地震にどこまで安全なのかなかなか理解しづらく、両者の間にどうしても溝が生じ易いのが現状です。

 

この溝を少しでも埋め、一般の方の理解を進めるために、講師は一般の方から小・中学生まで、要望があれば出向いて講演を開いたり(講演依頼へ)、日頃聞いたことはあるが良く分からないことの質問に回答するなど(質問・相談へ)して、とかく専門的で難しいと言われる地震に対する建物の安全について、これまで培った経験を生かして分かりやすく説明し、構造専門家と一般の方の橋渡しの機会がつくれれば、と考えこのホームページを開設しました。

 

時事コラム ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

“袖触れ合うも多生の縁” 2020年5月25日

先月7日政府によりに発出された緊急事態宣言が5月25日解除されました。日本人は古より縁を大切にしてきました。その縁はまさに“袖触れ合う”ことに象徴され、人と人との距離は密なものでした。

今般の新型コロナウィルス禍において自粛を要請された三密のひとつである「密接」に対しては、適度なソーシャルディスタンスが求められ“袖触れ合う”ことが難しくなってきました。これは古き良き日本文化の変容を余儀なくされるもので、大袈裟に言えば人と人との関わり合い方、人間関係にまで影響することにもならないかと思案します。

現在、言の葉に上っている「新しい生活様式」をつくって行く必要を感じるとともに、将来否定できない新たなウィルス禍での防災活動において“袖触れ合う”にどのように備えるか、考えておくこともこれからの課題になろうかと思います。 

 

"STAY HOME"は自宅で被災! 2020年5月6日

関東地方に緊急地震速報が5月4日、6日と連続して発報され、ドキッとした人も多かったのではないかと思います。両地震とも震源は千葉県北部、マグニチュードは5程度、観測最大震度は4でした。

新型コロナウィルスによる緊急事態宣言が発せられる中、いつ起きてもおかしくはないといわれる首都直下地震が今もし起きたら?・・・外出の自粛が求められ多くの人が自宅に滞在しています。帰宅困難者問題は減るでしょうが、自宅で地震に遭遇する人は増えるでしょう。

家具・什器などの転倒・落下などで自宅でケガをする人がいつもに比べ多くなることでしょう。

また、建物の内外装材が壊れたり運悪く建物自体が重大な損傷をすると、いつにも増して自宅で命の危険に遭う人が増える恐れがあります。

家族が揃ったいま、もし家具・什器などの転倒・落下防止対策が日頃進んでいなかった家があれば、その対策を実際に進める良いチャンスともいえます。また、非常用持出し品の中身を改め、内容の更新、充実を図る機会にすることもできます。そして、何より大事なのは3密が予想される避難所へ行かずに済むように、建物が地震で壊れず使い続けられるよう強くしておくこと。

わが国では江戸の末、安政東南海地震(1954年)その翌年安政江戸地震が起き、その数年後にコレラが大流行して江戸だけでも約3万人の死者がでた歴史があります。これが幕末維新の一因になったともいわれています。

災禍の連続や重複など考えたくはありませんが、外出の自粛要請が続く中、今の禍を次の災害を減らすチャンスにできれば、せめてもの救いになるのではなどと考えています。

 

「#うちで過ごそう」新型コロナウィルス感染拡大防止の準備とは 2020年4月1日

昨年暮れ、中国武漢で見つけられた新型コロナウィルスは、その後世界的に感染拡大し、東京では感染爆発の一歩手前にあるといわれています。今回のウィルスは、これを保有する症状ない人から人へと感染することが拡大の防止を難しくしているようで、行政は兎にも角にも外出は控えて感染拡大の防止を強く要請しています。 

一人一人の行動の成果は二週間程度後に現れ、準備の決め手は『行動を起こさない』こと。活動を控え行動を起こさないで過ごすことが、感染拡大防止のための最も確実な準備とされ、ウィルス災禍を鎮める大切な鍵となっているようです。現時点で治療薬がないことも原因のひとつとなっており、自然の前に現代医学の限界も感じます。 

これに対し、自然災害である大地震の災禍の大小は、事前にどれだけ防災準備の『行動を起こすか』にかかっているといえます。建物や設備の地震対策をすればするほど、助け合いの準備をすればするほど、一般的に地震の被害は減らすことができます。 

こういっては語弊を生むかもしれませんが、自然の災禍を考える場合、ウィルス災禍に比べて地震災禍は扱い易い、考えようによっては対策の立てやすいといえるかもしれません。

ウィルスによる自然の災禍を反面の教訓として、地震に対する準備の行動がさらに促されることを願っています。

 

「防災リジリエンス」 2020年2月13日

東日本大震災のあと“リジリエンス”という言葉を聞くようになりました。これは、例えば、地震防災においては、建物や社会が単に地震に強いだけでなく、早い復旧力を持つことが大切であるとする考え方です。

建物の構造で考えると、一般的に耐震性能は構造の強度(頑丈さ)、靭性(ねばり強さ)、復元力(したたかさ)で決まるとされ、これらの性能が小さいと損傷が大きくなり、復旧に時間がかかることになります。

“リジリエンス”の考え方からすれば、建物の構造にはこれらの性能をできるだけ高め、復旧力が高まるような構造計画、構造設計が求められていると言えます。

ところで、建築基準法では、建物が持つべき最低の安全性能として、極まれに起こる大地震に対して、人の命を守る観点から建物の倒壊・崩壊を防ぐことを目標としており、大地震で壊れたら諦める、使えなくなっても仕方ないとしています。

これは、”リジリエンス”における復旧力の視点を持ち合わせていないと言えます。高度化・複雑化し、脆弱性を増した現代社会において、復旧力の視点を持ち合わせない建築基準法の考え方は時代にそぐわないものになっていると言わざるを得ません。

建築基準法を満たしたから安心するのではなく、個々の建物が大地震に対しても少しでも損傷の少ないように造ってゆくことこそ、災害に対してリジリエンスな社会を形作る第一歩と言えるのではないでしょうか。

 

熊本県八代市防災フェスタ2019での講演 2019年12月14日

防災教育普及協会からの紹介で熊本県八代市主催の「防災フェスタ2019」において、「地震に備えた住居のあり方」と題する講演を八代市公民館で行いました。八代市では三年半前の熊本地震のあと、近くを通る日奈久断層も動くのではないかと心配され、市民の地震に対する関心は高いようです。講演では、現在の建築基準法の考え方の基礎にある“命を守るために建物を倒壊・崩壊させない”だけでなく、“財産としての建物を守る”ために耐震等級や耐震性能グレードの考え方を取り入れ、大地震でも僅かな損傷で済み修復すれば使い続けられる少しでも地震に強い建物にするための要点を示し、地震国日本のこれからの住居のあり方をお話ししました。

なお、同フェスタでは、災害救援ボランティア推進委員会により「家具転倒移動・ガラス飛散対策」の実演指導会も催されました。

 

「パラレル東京」NHK-TV 2019年12月10日

NHKテレビでは12月1日から8日にわたり、「体感 首都直下地震ウィーク」の中で、切迫する首都直下地震を主題に、その時どういうことが起きるか、被害を防ぐにはどのようなことに心掛け、どのような準備をすればよいか等について、連日特集を組んで放映しました。

地震が12月1日に発生したと仮定、連日その日に予想される被災状況を、その当日に切迫したドラマ「パラレル東京」で示しました。また、対象とする地域、年齢層、人、他をさまざま設定、災害の特徴を分類するとともに時間経過で整理するなど、いわゆる「虫の目」から「鳥の目」の視点で番組総計14時間余り、防災の準備を具体的に示しました。NHKのこの取り組みに敬意を表したいと思います。

この中では、避難やその後の生き残りに関する話題がほとんどでしたが、「そもそも避難するにも、避難所で生活するにも、復旧に携るにも、けがをせず命がなければできない。そのためには『家具類の転倒防止対策や、家の耐震化がスタート台』」との名古屋大学・福和伸夫教授の指摘は、当たり前のようですが忘れてはいけない非常に大事な点だと思います。この特集で、建物の安全をより確かなものにする耐震化の話題がほとんどなかったことが唯一残念な点でした。 

 

防災宿泊体験学習 2019年10月12日

文京区の小中学校では、東日本大震災の時の教訓を生かそうと、在校中災害が発生して帰宅できなかったり、避難生活になった場合を想定し、学校に避難宿泊を体験する防災宿泊体験学習を行っています。

この活動の一環として、去る10月11日文京区立駕籠町小学校の4年生児童を対象に、講師は『地震と建物のなぜ』と題した特別授業を行いました。当日は、図らずも台風19号が上陸、翌日は首都圏に最も接近する時期と重なったため、宿泊体験は急遽中止し、夕方特別授業を終えたのち直ちに児童達は迎えに来た保護者に引き取られ帰宅しました。

台風はその動きがおおよそ予測できるため対応に備えることができますが、地震は台風のようにその生起を予測することはほぼできません。地震災害に備えるのは難しい現実があります。しかしながら、台風にしろ地震にしろ自然の災害は人の予想を裏切って起こるのが常です。

今回の台風による突然の防災宿泊体験の中止が、児童達に災害の準備の重要性を身をもって体験させ、一生の記憶に残すことができたら、反面の防災体験学習として功を奏してくれたのではないか思っています。

 

首都直下地震 未治療死亡6500人超 2019年9月8日 

首都直下地震で治療を受けられずに死亡する人が6500人を超える可能性があることを、日本医科大学と防災科学技術研究所の研究グループが報告しました。

これによると、ケガの症状が比較的重い状態で都内の医療機関に搬送されたり訪れたりする被災者は21,000人あまり、このうち15,000人程度の人は治療を受けられるものの、医療スタッフの不足などにより、およそ3人に1人にあたる6,500人あまりが、地震発生から8日間のあいだに治療を受けられないまま死亡する可能性があるということです。

他方、内閣府による首都直下地震の被害想定では、もし建物の耐震化が全て達成されれば、建物倒壊による死者や建物全壊数を約1/7に減らすことができると推計されています。

建物の耐震化により、もし医療機関に搬送されたり訪れたりする被災者が1/7の3,000人に減らすことがきるとしたら、すべての被災者が治療を受けられ、未治療による犠牲者はなくなります。

この仮定がどれだけ適当かは定かではありませんが、耐震化が首都直下地震の犠牲者をより減らせることに間違いはありません。あらためて、建物の耐震化が地震の被害を減らす原点であることを認識したいと思います。

 

「命の危険」 2019年7月3日 

気象庁は7月2日、梅雨前線による大雨により、九州を中心とした西日本で記録的な大雨の見通しを発表しました。そして、これによる土砂災害に厳重注意するとともに、浸水や河川の増水、氾濫に厳重警戒するよう発表しました。同時に、各地で発表される避難勧告等に従って、“自分の命、大切な命”を守るために早目の避難、安全確保を、という異例の呼びかけをしました。これは、警告を発する側の防災・減災力の限界を意味したもので、”自分の命を守るのは自分自身”、という災害に向き合う際の根本的な理を改めて伝えたものと理解できるのではないでしょうか。

一方で、近く予想される首都直下地震では2万人以上、南海トラフ巨大地震では32万を超える死者が予想されている現実があります。いつくるか分からないとはいえ、“自分の命、大切な命”を守るための大地震に対する備えは、切迫する明日の危険に対する備えと同じように、一人一人が早め早めにしておくことを忘れないよう心掛けたいものです。

 

山形県沖で最大震度6強の地震~大阪府北部地震からちょうど一年 2019年6月21日 

2019年6月18日22時22分、山形県沖を震源とするマグニチュード6.7の地震がありました。この地震により新潟県村上市で最大震度6強を記録、津波注意報が発令され間もなく解除されました。

この日は、ちょうど一年前に大阪府北部を震源としたマグニチュード6.1、最大震度6弱の地震が起こった日です。ブロック塀の倒壊で通学中の女児が命を落としています。

マグニチュード6クラスの地震は、日本中いつどこで起きても不思議ではないということを改めて示した出来事でした。

新潟県や山形県では、被害を受けた建物の「応急危険度判定」が行われ、528棟の調査のうち63棟が最も危険度が高い「危険」と判定されました。また、立ち入りに注意が必要な「要注意」の建物は115棟あり、ほとんどが屋根の瓦のずれや落下のおそれによるものだということです。

「危険」は、建物に立ち入ることが危険と判断されるほど被害が大きかったものです。地震による建物の損傷は、耐震診断や耐震改修によりかなりの程度予防できるものです。地震を受け「危険」と判断されないような準備を進めたいものです。

 

建築主の責任と役割 2019年5月13日 

日本建築学会シンポジウム「建築工事における建築主の責任と役割」に参加しました。

建築工事において、設計者や施工者は専門の知識・経験を十分持つ専門家であるのに対し、一般的に建築主はその持ち合わせの少ない非専門家であるため、設計や施工の過程において両者の考えにすれ違いが生ずると、建築主の意向が過剰に主張されたり、専門家の責任が必要以上に問われ、トラブルのもととなることが最近増えてきました。これは専門家である医師と非専門家である患者との間に生ずる、ここ十年来富に増えてきた医療訴訟の様相に似ているともいわれます。

このようなトラブルを少なくするためには、専門家は建築主に十分丁寧な説明をして理解を得、その記録を残しつつ事を進める役割が求められる一方、建築主は専門家の説明を聞いて理解し、自ら判断する役割と責任がある、ということでしょう。「建築主は専門家に任せておけば安全で思うような建築ができあがります…、専門家は自分に任せてくれれば良い建築ができあがります…」、という両者の関係世界は成り立たない時世になっていることを示しているようです。

 

熊本地震から3年 2019年4月16日  

震災関連死を含めて273人が犠牲になった熊本地震から今日で3年を経過しました。いまだに1万6519人の被災者が仮設住宅で暮らしているといいます。九州は地震が少ないといわれ、耐震設計をする際の地震の大きさを決める地震地域係数も小さな九州で、このとき震度7が初めて二度生じました。本震か、余震かの判断が難しくなったため、これ以降、気象庁では余震という用語をあまり使わなくなりました。木造住宅の全壊数は500棟を越え、2000年の改訂基準を満たさない新耐震住宅にも被害が生じました。これにより、木造住宅では特に柱頭柱脚の接合部に十分注意を払わなければならないことを改めて認識しました。東日本大震災のあまりにも大きな災害につい目を奪われがちですが、過去の地震災害から学んだ個々の知識を改めて心に留める熊本地震3年目です。

 

免・制震データ改ざん問題の解決策  2019年1月15日  

免・制震データ改ざん問題に関する日本学術会議公開シンポジウムに参加しました。

建築用制震オイルダンパー(O.D.)の嚆矢となる開発に携わった者として、データ改ざんの手口は巧妙で、立合い検査に居合わせてもその偽装は見抜けない、との印象を持ちました。免震も制震も装置メーカーを信用しなければ開発は成り立ちません。それは開発当初業界の共通認識でありモラルでした。その後にこの前提が崩れてしまったことに、私を含め初期の開発に携わった参加者の多くは失望を隠せませんでした。

同様のことは、建築に限らず屈指の自動車メーカーでも起こっています。これまで日本の良き伝統でもあった、ものづくりに拘る技術者の誇り、倫理が失われたとは思いたくありませんが、悲しいかな認めざるを得ない時代になってしまったようです。

背景には、装置のコスト、納期に対する厳しいビジネス環境とか、他の工業製品と異なり地震が来ないと装置性能の不備が顕在化しない建築特有の特殊事情、等々あったことが指摘されていますが、不正を許せば企業の信頼を失墜するのは自明のことです。

今後こうした問題を起こさぬために、シンポジウムでは次の提案がありました。(1)第三者による抜き取り検査の実現、(2)大型製品の実大試験施設の導入、(3)共有の大型試験設備を持つ検査機関の設置。

 

ブロック塀の耐震診断を進めましょう 2018年12月12日 

大地震時の緊急輸送道路等に隣接するブロック塀等に対する耐震診断の義務付けが、平成31年1月1日から施行されることになりました。

昭和53年宮城県沖地震ではブロック塀等の倒壊による圧死が18人にのぼり、これを機に初めてブロック塀の安全について注意深い配慮がされるようになりました。しかし、その後の昭和62年千葉県東方沖地震、平成17年福岡県西方沖地震、そして今年6月の大阪府北部地震でも小学生の尊い命が失われ、被害がなくなりません。

ブロック塀は便利なため、身の回りで目に触れる機会も多いですが、内部の鉄筋の入り方や基礎の状況などが塀の危険性を左右するため、安全かどうかを外見のみから判断するのが難しいものです。放置されたまま、一旦転倒でもすると重大な被害になる可能性があります。

人通りの多い所のブロック塀で、古く、ひび割れ、鉄筋の錆汁、ぐらつき等があって心配なものがあったら、一度専門家に診てもらい、塀が一体になっているか、倒れやすくないか等、診てもらうことを推奨します。

参考:ブロック塀等の点検のチェックポイント

 

KYBオイルダンパー(続) 2018年10月29日 

国土交通省より、KYB及びカヤバシステムマシナリー(同社)の製造したオイルダンパー(O.D.)の導入に関わった建築物の設計者等に対し、同社から構造安全性検証作業協力の依頼があった場合は、これに協力するよう事務連絡がありました。これにより、同社が製造したO.D.のうち、国の基準や設計仕様を満たさないO.D.については判明している試験データに基づいて、又データ書き換えが不明なものについては予想される実際のデータに基づいて、構造安全性の検証がやり直されることになります。

O.D.を使用した建物を所有、利用している方は、建物売主や設計、施工者等から、構造安全性に関する説明や上述の構造安全性の検証結果の説明を受けることができるようになります。関心や不安のある方は、これら関係者に問合せることをお奨めします。

 

「世界の都市総合力ランキング2018」…東京は世界で一番魅力ある危険な都市? 2018年10月18日 

(一財)森記念財団都市戦略研究所から「世界の都市総合力ランキング2018」が発表されました。これは国際的な都市間競争において、人や企業を惹きつけるための総合力をランク付けしたもので、1位ロンドン、2位ニューヨーク、3位東京、これにパリが続いています。

一方、スイスの再保険会社スイス・リーは2013年、「自然災害で最も危険な都市ランキング」を発表し、1位東京・横浜、2位マニラ、3位広州・香港・マカオ、としています。

首都圏では、30年以内の発生確率が約70%といわれている首都直下地震の予想被害は、死者2万7千人、経済被害は間接被害も合わせると国家予算にも匹敵する100兆円に届くとも見積もられています。

都市総合力ランキングと危険な都市ランキングの上位に、2020年にオリンピックを迎える東京がともに入っていることに、とても違和感を感ずるのは私ひとりではないのではないでしょうか。

東京を考えてみると、総合力ランキングは健常者と余命半年を宣告された癌患者が、見た目の力比べをしているようなもの。ほぼ間違いなくやって来るであろう大地震を眼中から外さないよう日々の生活を続けたいものです。

 

KYBオイルダンパー 2018年10月16日 

オイルダンパー(O.D.)メーカー“KYB”が、これまで1000棟近い建物に納入した免震、制震O.D.の性能を偽装していたことが発表されました。

総合建設会社において、オイルダンパーを初めて建物に利用する研究開発に携わった者のひとりとして極めて残念な出来事です。O.D.は建物の安全性を向上できる優れた技術手段だからです。

オイルダンパーを使用した建物の安全性チェックは、通常その建物を設計した建設会社や設計事務所において実施できる作業です。KYBは納入したO.D.が規定値を満たしていなかった場合、実際の正確な出荷試験データーを設計者に提示し、建物の安全性チェックの作業を迅速に進める努めが求められます。

KYBはO.D.のリプレイスを進めなければならないことは勿論ですが、建物の安全性チェックを逸早く完了し、建物利用者そして社会を安心させて欲しいものです。そして、免震・制震技術の要の装置のひとつであるO.D.の信頼を回復し、所期の安全な建物の実現に貢献することを心から願っています。

 

今、防災教育に足りないものは何か? 2018年10月14日 

ぼうさいこくたい2018 防災教育交流フォーラム「今、防災教育に足りないものは何か?」(主催:(一社)防災教育普及協会)が東京ビッグサイトにおいて開催され、これに参加しました。

著名な講演者らから、次のような不足点が指摘されました。

・ 学校教育において、現場の先生は教科の消化に追われ、防災教育に割く時間が不足。

・ そのため、学校では専任者や専門家に任せきりの傾向。

・ 防災の教科化が是非必要。

・ 学校、家庭、地域において、防災教育のすそ野を広げる。

・ 大人への教育が不足。生涯教育が大切。

・ 防災の基本知識(信号で言えば、赤・青・黄の意味)と基本行動の徹底。

・ 防災はそもそも非日常を扱う正解のない問題。また、人生は危機の連続。

  これはまさに、学習指導要領にある「生きる力」の核心でもある。

余禄:先日、近くの交差点で、救急車がサイレンを鳴らし交差点を通過しようとしていた時、歩行者信号の青が点滅し始めた横断歩道をあわてて渡ろうとしていた子供が救急車の前を横切り、救急車は速度を落としました。信号は青でも、「緊急車両が警報を発して通行していた時は、緊急車両が優先される」という非日常のルールも、応用問題として教えておく必要があることを感じました。》

 

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